濱田諭法律事務所のブログ

2018/05/14

内部通報窓制度の認証

 浜田です。

 企業の経営陣が隠している不祥事等を従業員が外部に通報する内部通報制度について、消費者庁(この制度の所管庁)が認証制度を導入する可能性があるとの記事が日本経済新聞に出ていました→https://www.nikkei.com/article/DGKKZO30376900R10C18A5MM8000/(一般の方は一部しか閲覧できない記事です。)

以下ーリンク先より引用

「内部通報をする従業員を守るルールには、公益通報者保護法がある。同法を所管する消費者庁が「内部通報制度認証」(WCMS認証)と呼ぶ制度を設ける方針だ。頭文字の「W」をモチーフにした水色のマークを作り、認定を得た企業が利用できるようにする。」

ー引用終わり

 現在、私が所属している日弁連の弁護士業務改革委員会の企業コンプライアンス推進PT(プロジェクトチーム)において内部通報制度について弁護士がこの制度にどのように関わっていくのが良いのか等について議論が始まっているところです。

 現在は内部通報窓口を企業の顧問弁護士が兼任している例も多く見られ、この場合には内部通報がきちんと処理されるのか、顧問でありながら従業員の内部通報を受け付ける窓口業務をすること自体が利益相反に該当するのではないかという問題点があります。

 認証制度が導入されるのかも今後の検討課題でしょうが、顧問弁護士であると認証が受けられないという形で顧問弁護士が内部通報窓口を兼任するという現在の形が徐々に減っていくのも期待できそうです。


2018/05/11

虚偽のDV申告を認定して配偶者と自治体に損害賠償を命じた裁判例

 浜田です。

 私自身、DV防止法に基づく措置がとられている離婚事件を扱うことが時々あるのですが、興味深い判決が出たので備忘のためにも書いておきます。

以下ーリンク先より引用

「この裁判は、夫には別居中の子どもと面会する権利などがあったにもかかわらず、妻が虚偽のDVの申告をして愛知県警が鵜呑みにしたことで、子どもとの交流が絶たれたなどとして妻と愛知県に対し、約330万円の損害賠償を求めていたものです。4月25日に言い渡された判決で、名古屋地裁は妻に対し「DVの申告は夫からの暴力を避けるためではなく、夫が子どもと面会することを阻止するためであった」と指摘。また、県に対しては「愛知県警は不審・疑問な点がないか確認する義務があった」などと県警の過失を認定し、妻と県に対し、55万円の損害賠償を命じました。さらに判決の中で名古屋地裁は、「現在のDV防止法に基づく措置では、加害者とされる人の手続き保障がなく、事実誤認があった際の簡易迅速な救済制度もない」として、制度の見直しが必要とする異例の言及をしました。」

ー引用終わり

 DVの被害者の保護は重要であり早急な措置をとる必要がある一方で、迅速性を優先するあまり、こういった虚偽の申告に基づいた措置が出るリスクもあり難しいところです。

 個人的には虚偽であることの認定をどのような形で行ったのか、虚偽の申告であるとの主張した原告側が提出した証拠がどのようなものであったのかについて興味がありますが、いずれその辺りもこの判決文が判例雑誌等に掲載されることで明らかになるのではないかと思います。